2019-10-28 あの山 「あの山に登ってみたいと思わない?」 二人は遠くに聳え立つあの山を見つめた 「そうだね。でも今年はもう寒いから暖かくなったら登ろうか。」 冬の山はどこか寂しそう 雪が降って風がビュービュー吹いて 閉ざされれた一つの世界 私たちは凍りゆくあの山を見つめていた 暖かなると私たちはあの山に登る 一冬超えたあの山を一歩ずつ踏みしめる 眠っていた登山客の楽しそうな声 熊よけの鈴の音が一斉に弾けだすだろう そんな思いが頭の中を駆け巡る